今治城

観光・見学 今治

日本で最初のニュータイプの城


正面入り口

 日本100名城、日本三大水城に選ばれた今治城。

 今治城は藤堂高虎により、1602年から1608年頃にかけて築城された城です。その最大の特徴は、海水を導入した広大な堀に囲まれていることで、このような形式の海城としては日本でも屈指の規模を誇ります。今治城は別名を吹上(吹揚)城といいますが、吹上とは砂浜に海から風が吹き寄せる地という意味があり、このことからも海岸のすぐ近くに築城されたことが分かります。

 今治城の築城は徳川幕府開闢のときと重なり、戦国の世から平和の世に移行する時期でした。今治城はそれまでの戦争のためだけの城ではなく、平和時における治世のための城として築かれた、日本で最初の画期的なニュータイプの城なのです。その特徴は、城郭や天守が非常にシンプルであることで、敵と戦うための複雑で迷路のような城ではありません。これは藤堂高虎が自分の持ち城として、実験的な試みを行ったのではないかと考えられています。城内は様々な政(まつりごと)を行うための配慮がされていて、まさに江戸時代に相応しい城と言えます。


鉄御門

今治城最大の石「勘兵衛石」は約16.5t

藤堂高虎像

満ち潮で堀に流入する海水

天守の秘密


天守全景

 築城当時は最新鋭だった層塔型の天守。実は、今治城の天守は極めて短期間しか存在しませんでした。というのは、築城の数年後に解体されてしまったからです。これは藤堂高虎が伊賀上野(三重県)の地に新しく城を築くため、今治城天守を解体移築しようとしたのですが、最終的には丹波亀山城(京都府)として徳川家康に献上されたとの説が有力です。

 平和時では、地方行政府としての城において天守の存在はあまり意味がなく、その意味でも、天守を持たない今治城は、日本で最初の平和の城と言える存在ではないでしょうか。

 現在の天守は1980年に鉄筋コンクリート造で再建されたものです。内部ではいろいろな歴史的な展示がされていて、また、その最上層からは来島海峡や今治市街地が一望でき、今治のランドマークといった存在です。


山里櫓と天守

天守から来島海峡方面を望む

天守内の展示物

天守内の展示物

実は壮大だった今治城


南から今治城を望む

 今治城築城当時は、その広さは現在の城跡の約9倍もあり、現存する内堀の外に中堀と外堀がありました。今でも金星川や泉川として外堀の一部が残っており、当時を偲ぶことができます。

 今治城の特徴として高い石垣があります。お堀に映える石垣の姿の美しさは、今治城の大きな特徴です。ここで使われている石は、成分分析の結果、瀬戸内海の大三島や関前諸島で産したものと言われていて、中には貝殻がそのまま残っている石もあります。海岸のすぐ近くにあるお城なので、石は船で比較的簡単に運搬できたと想像されます。


江戸時代の今治城の絵図

外堀の名残「泉川」

市民の憩いの公園


夜間ライトアップ

 今治城は明治維新後の廃城令により、建物などは全て取り壊されました。現在の今治城は1980年から始まったプロジェクトにより、天守、多聞櫓、武具櫓、御金櫓、山里櫓、鉄御門が順次再建されたもので、それぞれの建物内部は博物館などとして活用されていて、共通券で入場することができます。

 天守のすぐ隣には吹揚神社があります。この神社は城下町にあった4社を集約して建立された、今治最大の神社で、お正月には大勢の初詣客で賑わいます。城址内には数多くの桜が植えられていて、春には花見客も大勢訪れます。また二の丸跡の広場の一角には、今治綿業の父と言われる矢野七三郎の像があります。矢野七三郎は日本有数のタオル産地となった今治市の綿業の礎を築いた人です。この広場ではさまざまなイベントが催されるなど、市民憩いの公園として愛されています。

 城址の北西の隅には古い大きなサイレンが据えられています。かつては市民の時報としてのサイレンがここから鳴り響き、今治の中心地としての役割を果たしていました。


鉄御門

御金櫓

山里櫓

吹揚神社

古びたサイレン

二の丸跡の広場


施設名 今治城
カテゴリ 観光・見学
エリア 今治
住所 愛媛県今治市通町3-1-3
電話 0898-31-9233
料金 観覧料
一般:500円 学生:250円 (天守、御金櫓、山里櫓、鉄御門・武具櫓の共通料金)
駐車場 1時間100円
※上記は取材時の価格です。
営業時間 09:00-17:00
年末休み
交通 JR今治駅から約2km
車で約5分
自転車で約10分
WEB 公式HP
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インタビュー
学芸員 藤本誉博さん
学芸員 藤本誉博さん

 今治城は、歴史的な意義はもちろんですが、お城を取り巻く広い内堀に映る石垣や天守がとても美しく、眺めるだけでも価値がある城址です。今治にお越しの時は、ぜひお立ち寄りください。

Snapshot

正面入口

鉄御門

山里門

貝殻が残る石

今治綿業の父、矢野七三郎の像

取材日:2014年11月6日 | Top > どこに行く > 愛媛側陸地部 > 今治城


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